|
溝口敦の斬り込み時評 No.397(2020年6月15日)
どこにでも出向く“今どきホステス”はもう止められない

新宿歌舞伎町の風俗っぽい飲食店が新型コロナのクラスター地点としてとりわけ警戒されているようだ。
そういえば4月ごろ歌舞伎町のクラブ店長から聞いたことがある。
「このコロナ騒ぎっていうのに、女の子のおっぱい、すすってる男がいるんだからね」
表面、閉店を装いながら中では“オッパブ”といわれるオッパイパブが営業していた。そこでは20代、30代の怖さ知らずの男たちが女の身体に取りすがり、もぞもぞ動く。本番以外はなんでもありという濃密空間だから、コロナも性感染症も流行る道理だった。
しかしクラスターは歌舞伎町に限ったことではない。快楽とカネを求める男女は西麻布や六本木など、盛り場という盛り場に見境なく出没している。
日ごろ、女の子の相談に乗っている六本木のクラブオーナーが言う。
「怖いのはコロナのキャリアーですよ。私が知ってる女の子ですけど、熱があるっていうんで病院に電話をした。だけど、コロナ臭いというんで、扱ってもらえない。ようやく保健所に電話がつながり、PCR検査を受けられ陽性と分かった。
保健所はさかんに入院を勧めるけど、女の子は入院したら生活できない、カレシの面倒も見られない。熱も下がった。これといって自覚症状もない。だから入院の必要なしって勝手に決めた。保健所からは入院しろと矢の催促だけど、全部、電話は無視。
彼女がやっていることは知り合いの店やお客から電話が掛かってきたらどこにでも出かける。お店経由で銀座、六本木、新宿、池袋、どこの店だろうと出かけて接客する。小ぎれいで話を合わせられる子だから、客は喜ぶ。店は重宝する。
今、こういう動きをする子が増えてるんです。一つ店に縛られていない。ヘルプじゃなく、自分で客も持っている。客が払ったカネの半分は自分の収入にできるシステムです。
だから、どこそこがクラスターだっていえないんです。都内全域の盛り場が危険だし、女の子によっては都内は客が減った、商売にならないって群馬方面にまで長期出張している。
女の子に『あんたもよう稼ぐね』と聞くと、『だってしんどくないもの』ですからね。自分の身体の調子で全部を決める。自分がウイルスをばらまく怖さに思い至らない。
男の子もやりたい盛りだから、危険とかヤバイとかいう感覚が欠如している。三密なんか若さで吹っ飛ばすという鼻息です。まあ、ほとんどがオレオレで金回りがいい系統ですけどね」
この分だと、年配の者が都内盛り場に出向くのは年寄りの冷や水といわれかねない。

|