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溝口敦の斬り込み時評 No.431(2021年12月6日)
ビットコイン暴騰の残り香に群がる連中たち

今1ビットコインが550万円ぐらいする。3年前には36万円ぐらいなものだったから、山あり谷ありとはいっても相当な暴騰である。
半グレたちは早い者で2014年ごろから暗号通貨に注目し、シノギのネタにし始めていた。15年ごろで1ビットコインが4万円ぐらいなものだったから、高齢者に暗号通貨の投資を仕掛けるには値段として手頃な商材だった。
だが、当時の高齢者は暗号通貨がどのようなものか、理解できない者が多かった。そのため暗号通貨をネタとする者は別にアクリルなどで私製のコインを造り、たとえばそれを100枚渡して、あなたは100ビットコインを投資した、と感覚的に納得してくれそうな引換券にしていた。
このように投資した高齢者たちの名簿を持ち続けた半グレがいる。今、彼らは当時の投資者を訪ね、「あなたは当時、400万円買い入れてくれた。それを5倍で買い戻しますよ」と持ち掛け、ビットコインを調達している。
今の価格で100ビットコインは5億5000万円ぐらい。それを売値の5倍の2000万円で買い戻せるなら、安いものだ。また時価を知らず、知るすべも知らない高齢者にとって、6年前の400万円が5倍になるのは宝くじの高額券に当たったのと同じである。
半グレたちも怪しい形でビットコインを売ったり買ったりせず、じっと握りしめていたなら、今、あらためて買い戻す手間も必要なかったろう。それこそ億万長者で悠々自適の生活を送れた。だが、日々血まなこで多額のカネを追う身では、それは不可能だった。
世の中には暗号通貨で大儲けした者が少なからずいる。半グレの多くは前記したように四苦八苦しながら暗号通貨にしがみつき、暴騰の残り香を嗅ごうとしている。
つまり半グレたちには今、目覚ましい新シノギがない。ヤミ金、オレオレ詐欺、危険ドラッグ、金インゴットの密輸…の後が続かない。
オレオレ詐欺などの特殊詐欺はまだまだ高齢者を騙せるのだが、最近、暴力団が詐欺分野を侵食し、市場を荒らしている。暴力団が出てきたことで、組長の「使用者責任」が適用され、詐欺の首謀者さえ逮捕されかねない。
それまでは使い捨て要員である出し子や受け子の逮捕はあっても、そこがファイアウォールとなって、(電話の)掛け子や首謀者の安全はほぼ完璧に保たれていた。
おまけに組織犯罪対策や暴力団対策室が特殊詐欺や半グレに取り組むことになれば、被害ケースからではなく、架電するアジト(掛け子部屋)を、足を使って摘発するケースが増える。中心部への直撃であり、さしもの半グレ集団も息の根を止められよう。

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