溝口敦の斬り込み時評 No.430(2021年11月22日)
山口組は業界の盟主の座から転落するかもしれない

 六代目山口組による神戸山口組攻撃は最近、鳴りをひそめている感じだが、高山清司若頭による神戸山口組潰しの決意はいささかも揺らいでいない。

 高山若頭の第一目標は依然として①神戸・井上邦雄組長の死か引退、神戸山口組の解散である。次にそのバックアップ策として②岡山市を本拠とする池田組(池田孝志組長)潰しが挙げられる。

 池田組は去年7月、神戸山口組から離脱して独立、直後から絆会(織田絆誠会長)と連携を密にしている。この池田組は財力に富み、もし神戸山口組とよりを戻し、再連携することになれば、神戸と井上組長を優に4〜5年延命させてしまう。

 そうなれば今回の分裂抗争は10年戦争になり、辣腕で聞こえた高山若頭の采配に疑問符がつけられよう。

 井上組長はたとえ1人になっても引退しないとほぞを固めているし、池田組長も織田会長も絶対6代目山口組に戻らないことで意見が一致している。

 まして池田組が核となり、神戸・池田・絆会の三者連合が成立するようになれば、高山若頭はヤクザ業界から無能の烙印を押されよう。

 そのような意味で池田組潰しは分裂抗争に幕を引くための安全弁なのだ。これまでも六代目山口組は池田組の若頭を2代に渡って殺傷するなど、異常なほど池田組潰しに狂奔してきた。

 この10月には六代目山口組は特定抗争指定の警戒区域が解かれたばかりの岡山市、直系大石組(井上茂樹組長)本部で阪神・中四国ブロックの若頭会を開くなど、ことさらに岡山市をマーク、挑発している。

 高山若頭は一見、余裕綽々として抗争終結に向け前進しているように見えるが、実際には焦り狂っているのかもしれない。発生後6年も経っていながら、まだ終結の芽さえ見えない。長期という点では山口組対一和会抗争をとおに越えている。

 ヤクザ業界では同じころ極東会(高橋仁会長、東京・新宿)と住吉会(小川修司会長、東京・赤坂)とが「未来永劫の友好」を誓う平和協調路線を歩むべく互いに「決定事項」を発表した。

 住吉会は今年3月、道仁会(小林哲治会長、福岡)と親戚関係を結ぶなど、以前から九州の四社会(道仁会、工藤會、太州会、熊本會)とは親しい関係にあったが、そこに新たにテキ屋系の極東会を加え、六代目山口組とは関係のないところで、全国に友誼関係を広げている。

 あたかも六代目山口組は置いてきぼりを食っているかのようである。分裂抗争に手こずっている間に全国の暴力団は山口組を抜きにして、平和共存路線の網を互いに何重にもかぶせようとしている。

 山口組は業界の盟主の座から転落するのかもしれない。