443)軽乗用車で門扉にコツン、しかできない六代目山口組(22年6月21日)

6月6日の夜、神戸山口組から分かれた絆會・織田絆誠代表の自宅(神戸市長田区)に軽自動車がバックで突っ込み、3重の門扉のうち1番道路側のフェンスが少しだけ壊された。その後、六代目山口組系の組員が兵庫県警長田署に出頭し、建造物損壊容疑で逮捕された。
「一応、ワシがやりました」といった形づくりのためだけの攻撃と見られるが、このところ同様の事件が相次いでいる。
6月5日、神戸山口組・井上邦雄組長の住宅(神戸市北区鈴蘭台)に銃弾が撃ち込まれた(直後に六代目山口組系弘道会傘下、野内組組員が拳銃を持って近くの交番に出頭)。
また5月8日には神戸山口組・入江禎副組長の自宅(大阪府豊中市)玄関扉に車が突っ込んだ。実行犯は防犯カメラの映像などから弘道会系組員・菅野義秀容疑者(26)とされる。
いずれもいいかげんな構えで標的に向き合い、ハナから敵に致命傷を与えようとは考えていなかったのだろう。不在証明ならぬ「現場でワシがやりました」という存在証明が成り立てば目的達成との思惑と見える。
一連の事件と同じころ、神戸山口組から分かれた「池田組(岡山市)には手を出すな」と六代目山口組本部が通達を出したという情報が流れた。
一部のヤクザYouTuberはこうした動きに触発され、「池田組の池田孝志組長は池田組の解散を選んだ」など、まるきり見当外れの推測情報を流している。絆會に対しても、「六代目山口組側が織田代表を評価、六代目山口組に復帰か」など、ありもしない誤情報を拡散している。
実際、カタギの若い者でも、喧嘩となれば、も少し気合いが入った取っ組み合いをする。ヤクザの若い者が軽の乗用車で門扉にコツン、など恥ずかしくて人様に披露できる話ではなかろう。
それを大仰に騒ぎ立て、六代目山口組が分裂徒輩を総攻撃と提灯を持つ。あるいは、どこそこの組は高山若頭のお覚えめでたく復縁かなど、馬鹿話もいいかげんにせい、と言いたい。
事実は神戸山口組、池田組、絆會の3派が六代目山口組に復縁することはあり得ない。3派とも指向するのは独立独歩路線である。その中で池田組と絆会はすでに強固な同盟関係を結んでいる。入江副組長を中心に、神戸山口組も何らかの形で同盟に加わりたいという話が現在、進行中だ。
分裂した側の動きを受けて高山清司若頭は焦っている。しかし、車の突っ込み、カチコミ以上の攻撃に組員を動員できない。殺害指令は殺人教唆や組織的殺人の立証などへの恐れもあるが、要は打ち疲れで強兵を起用できない。
だから今回の分裂抗争は10年戦争になると観測されるのだ。攻守ともにこれからもダラダラと展望なき対立抗争を続けていく。

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