442)にわかに注目され出した 神戸山口組・井上組長の進退(22年6月6日)


 六代目山口組の攻勢にさらされ、敗色の濃い神戸山口組(井上邦雄組長)だが、六代目山口組に対し打つ手がまるでないわけではないようだ。

 かつて神戸山口組に所属し、後に脱退した池田組(岡山、池田孝志組長)、同じく叛旗を翻した絆會(織田絆誠会長)、それに神戸山口組の三者が再び同盟を結び、六代目山口組に対抗しようとする動きがあると語るのは、関西の捜査関係者である。

「この同盟話で中心になって動いているのは神戸の副組長・入江禎のようだ。井上邦雄の承諾を得て動いているかは不明だが、入江は岡山の池田、絆の織田と何度か個別に会っている。入江とすれば、三者同盟しか神戸山口組の延命はないと思っているのだろう」

 三者の再結集とはいっても、三者とも六代目山口組に比べれば少数であり、足し算したところでタカが知れている。そのぐらいで六代目側に対抗できるのか。

「おそらくこの同盟話は六代目山口組の高山(清司若頭)の耳にも入っている。高山にすれば、一刻も早く分裂を終わらせたい。井上や入江、池田、織田を引退させ、それぞれの組織を解体して組員を六代目側に引き込みたい。じゃないと、山口組の次(の組長)が決まらない。

 今、高山がむやみやたら焦っているとされるのは、この同盟話が進行しているからだ。三者同盟が成れば、地に落ちた神戸に再び大義を与えかねない。神戸という土地と山口組の結びつきがまたもやクローズアップされ、反名古屋気分が醸成される。

 おまけになにより高山の分裂終結構想が延期に延期を重ねて、自分の寿命じゃカバーできなくなる。高山はこれを恐れている」(同前、捜査関係者)

 しかし三者が同盟を結ぶとはいっても、簡単ではない。たとえば絆会の織田会長には、神戸に自分のボディガードを殺されたという怨みがある。岡山の池田組長には、自分の若頭を殺されても、荒事は一手に引き受けるといっていた井上組長が報復に立たなかった、口先だけだという侮蔑がある。

 山口組事情に通じる大阪の事業家が同盟話を補う。

「基本、三者の同盟は対等の関係で結ぶとなるようです。井上さんに頭を下げて神戸に復縁するんじゃない。あくまでも三者は対等です。

 具体的には、こうなるんじゃないか。つまり井上さんの命と今後の生活は保証する、だけど組長は退いて名誉職に就け。神戸の跡目は入江さん辺りにまかせろ、と。井上引退が三者対等の条件になる」

 他方、当然のことながら六代目山口組側も井上組長に引退と組の解散を迫っている。井上組長にとってどちらがヤクザらしい散り際になるのか。