437)マンションで大麻栽培、覚醒剤密造とはヤクザも落ちたもの(22年3月14日)


 このほど六代目山口組弘道会傘下の組幹部が大麻の栽培で逮捕された。この男は名古屋市緑区のマンションで大麻草293株を販売目的で栽培していたという。

 一時期、室内での大麻栽培キットがネットで売られていた。陽光がゼロでも栽培できるよう人工照明つきで、人の目に触れることなく安全確実に栽培できるという触れ込みだった。大麻は種類によりTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が異なり、それが薬効の差となる。

 セットなら自動的に有効成分の多い樹種になるから、素人でも手が出せる。その代わり大麻取締法での刑罰は自分持ちで、となる。
 大麻事件での検挙は最近増え、20年には5000人を超え、特に20歳以下で急増しているという。

 しかし、ヤクザがマンションの一室で密かに大麻を栽培する図はどうにも景気が悪い。男伊達を売る商売がついに零細きわまる無許可の栽培農家かよ、と皮肉りたくもなろう。

 かと思うと2月、住吉会の傘下組員3人が北新宿のマンション一室で覚せい剤を製造していたというニュースに接して仰天した。

 ご存じの通り覚せい剤は製造時、ものすごい悪臭を発する。そのためアメリカのテレビドラマ「ブレイキング・バッド」に見るように、米ニューメキシコ州に住む高校の化学教師でさえ、わざわざキャンピングカーで砂漠に出かけ、そこで覚せい剤(メタンフェタミン、メス)を密造する。

 悪臭がたたって、日本ではおそらく1950年代以降、どんな山奥でも密造が絶え、おおよそ国内乱用の全量が韓国や台湾、中国、北朝鮮などからの密造・密輸入品に頼るようになった。

 新宿で製造というニュースで最初に思ったのは、ついに覚せい剤の新製法でもできたのか、という驚きである。

 ところが続報などをよく読むと、製造したのではなく、密輸のため変形加工した覚せい剤を溶液で溶かし、茶こしなどで雑物を除去した「戻し」工程のことだった。これなら悪臭が近隣に及ぶことを気にする必要はない。

 しかし大麻栽培と同じく覚せい剤の家内工業的「戻し」もなにかチマチマして、これがヤクザのすることかよ、という気になる。

 まあ、覚せい剤も大麻も今ではオレオレ詐欺と並んで、もっとも安定的で確実なヤクザのシノギなのだろうが、社会悪をばらまき、かつまた男の生き方としてメチャ恰好悪い。これが懲役掛けてやるシノギかよ、いいかげんヤクザをやめれば、といいたくなる。