433)山口組の抗争がなかなか決着しない複雑な事情(22年1月17日)


 山口組の分裂抗争は年が変わっても結末を見そうにない。神戸山口組の井上邦雄組長は敵にどのように追い詰められても「ごめんなさい」と頭を下げるタイプではないという。

 この点では岡山池田組・池田孝志組長、絆会・織田絆誠会長も同様で、一度路線を決めたからには周りの雑音に耳を貸さないようだ。

 もちろん六代目山口組・高山清司若頭とすれば、一刻も早く抗争に決着をつけたい。だが、敵対する相手は前記の通り叩いても、カネで組員を引き抜き、組織解体を図っても、ギブアップしそうにない。
 かといって間に入って調停してくれそうな同業者はいない。井上邦雄組長に対して「命の保証」と「財産の保全」を約束できる他団体の親分衆が存在しないからだ。

 分裂抗争にカタをつけないかぎり、七代目体制へのバトンタッチはできない。高山若頭とすれば、七代目に就くのが自分自身なのか、それとも竹内照明・弘道会組長なのか決めかねているようだが、司組長の年齢が80の大台に乗った以上、ここらで組員の気持ちを一新するためにも、代替わりのイベントがほしいところだ。

 警察も山口組の分裂抗争にいいかげん決着をつけたい。そのためもあり、組事務所の使用禁止、自治体などによる買い取り、解体などを淡路島、岡山、神戸、尼崎などで重ねている。搦め手から「城攻め」する狙いだろう。

 神戸・花隈には井上組長の本拠である通称「山健会館」がまだ無傷で残っているが、これは井上組長や山健組の名義ではなく、「日本環境」(花隈町)という組織が所有しているようだ。井上組長の息子はカタギであり、組長も息子を前面に立てないよう務めているが、とはいえ「日本環境」の代表は息子とされる。換言すれば、山健会館は井上組長の息子の管理下にあるともいえる。

 ヤクザの間でも渡世上のトラブルにカタギの家族は巻き込まない不文律がある。彼らはこういう時期だからといって、別に警戒することもなく、夜昼自由に盛り場を徘徊している。

 一昨年、私は六本木で飲んでいるとき、10人ほどのグループのリーダーから「司(組長)さんの息子さんです」と20代前半ぐらいの若者を紹介されたことがある。それぞれ名刺も交わさず、あいまいな笑顔を浮かべて頷いただけだったが、そのグループでは下の方の印象だった。

 司組長の息子についてはかなり前、名古屋の飲食店でも噂を聞いている。六本木の「息子さん」とはたぶん別の息子なのだろう。

 また神戸山口組の入江禎副組長の息子が渋谷のクラブで「偉い人」をやっていることはかなり知られている。入江組長本人も現在、大阪ミナミより和歌山の白浜に籠もっているようだ。