419)オレオレ詐欺で賠償を迫られる司組長の自業自得(21年6月7日)


 5月20日、オレオレ詐欺などで被害を受けた80代の男女3人が六代目山口組の司忍組長らに対し、計2667万円の損害賠償を求めて東京地裁に訴えを起こした。

 この事件で逮捕された六代目山口組傘下の4次団体組員(懲役6年6月、すでに服役中)は詐欺に使う携帯電話などを手配するかたわら、被害者から現金やキャッシュカードを受け取る「受け子」などを差配していたという。

 もちろん詐欺を牽引するのは電話を掛けて被害者を騙し、カネを出させるように運ぶ「掛け子」グループである。「掛け子」は電話の音声だけで被害者と接し、相手に名乗る氏名や立場、組織名、相手電話に表示される電話番号などは全部ウソだから、逮捕される危険がもっとも少ない。

 ひきくらべ受け子は被害者に直に接し、現金やキャッシュカードを受け取るから、逮捕される危険がもっとも高い。場合によっては被害者と警察がタッグを組んだ「騙された振り」作戦で近くに警察官が潜んでいる場合さえある。

 言ってみれば「受け子」は逮捕要員であり、使い捨て要員なのだ。

 そのため中心の「掛け子」グループは「受け子」との間に防火壁を設け、「掛け子グループ」の内情を「受け子」に教えない。警察がいくら「受け子」を逮捕して詐欺グループ上部に突き上げ捜査しようとしても、挫折する仕掛けである。もちろん詐欺収益の大半は「掛け子」グループ主宰者の手に入る。

 今回の裁判の場合も主宰者や「掛け子」グループは未逮捕のままである。末端の「受け子」グループを差配したのが山口組4次団体の組員とはいっても、主宰・首謀者が山口組と関係があるのかどうかさえ分からない。

 しかし、首謀者が未逮捕であっても、ほぼ間違いなく司忍組長は敗訴し、損害賠償金約2600万円を支払うハメになる。組長の「使用者責任」を使った損害賠償請求訴訟は今まで負けたことがない。

 司組長ならカネを持っている。おまけに山口組の数いる直系組長たちが分担拠出してカネを出す。誰も文句を言わない。カネの出し手として、山口組は最高の払い手なのだ。

 オレオレ詐欺は本来半グレが考案したシノギだが、彼らは自分たちのケツモチ(後見人)としてほとんど弘道会を選んだ。

 そのせいか、現在、もっともオレオレ詐欺グループを抱えるのは弘道会、ばかりか、弘道会系組員が自ら主宰するオレオレ詐欺グループもあるという。

 六代目山口組が以前から半グレはワシらの敵だ、この際、駆逐する、といった運動でも展開していれば別だが、そうではなく身内に抱え込んだのだから、わけの分からない裁判で賠償せよと迫られても同情できない。おまけにオレオレに対する警察の非力な捜査を暴力団が賠償することでカバーすることになる。