417)山口組の抗争とは別に新陣取り合戦が始まる(21年4月19日)


 六代目山口組・高山清司若頭の発案で先ごろ横浜市の稲川会館で六代目山口組、稲川会、松葉会、双愛会、東声会の各首脳部が集まり、短時間ながら食事会が開かれたようだ。

 高山若頭とすれば、分裂抗争でかなり低下した六代目山口組の威信を、稲川会を足がかりに首都圏で回復しようとするテコ入れ策だったろう。

 もちろん稲川会・内堀和也会長は六代目山口組・竹内照明若頭補佐と兄弟分の関係にある。が、より直接的には高山若頭のため、そうとうな便宜を図っていると見える。

 そのせいか、稲川会の一部には、内堀会長は高山若頭の意向に添いすぎるという声もある。まだまだ小声で話される少数者の感想に過ぎないが、ヘタをすれば、会内の意見不統一さえ招きかねない。

 実際はどうなのか、おそらくは主流派と目される稲川会の幹部に聞いてみた。

「今の山口組との距離感はこれでちょうどいいと思います。これ以上接近する必要もないし、かといって距離を離さなければならないほど密着もしていない。

 だいたい内堀会長は簡単に人の話に乗るほど単純じゃないですよ。ず抜けて頭がいい。若いころIQが155だったとか。表面、にこやかに相づちを打ちながら、頭では別のことを考えている。だから私なんかは後で気づいて、恐ろしい人だなと思うことがしょっちゅうある」

 内堀会長の頭領としての器量に全幅の信頼を寄せている気配だ。表面、どのように見えようと、稲川会は高山若頭に引き回されたりはしない、と。

 稲川会と住吉会との関係についてはどうか。このところ両組織はなにかとぶつかり合う局面が多い。稲川会の場合、理事長が山口組の若頭に相当する役割を果たしている。

「今の貞方留義理事長は分かりやすい考えの人です。これまで住吉会との間で揉め事が起きても、なあなあで済ますことが多かった。しかし、この辺りでそういう関係はひとまずご破算にして、手打ちすべき時はするし、喧嘩するときは喧嘩しましょう、と。

 私もこうした考えに賛成ですね。ヤクザをやっている以上、いつもいつも摩擦を避けているわけにはいかない」

 ということは、今後、首都圏で稲川対住吉の抗争が多発する恐れがある、となろう。そして住吉会は道仁会をはじめ九州勢と手を結び、山口組一極支配に異議を唱える可能性が出てきた。

 山口組の分裂抗争とは別に、暴力団世界では新陣取り合戦が始まるのかもしれない。