415)六代目山口組高山若頭の「特定抗争」を仕掛ける辣腕(21年


 山口組の分裂抗争で注目されるのは六代目山口組・高山清司若頭のコントロール下に行われる激烈な神戸山口組攻撃だが、もう一つ謀略工作にみせる高山若頭の辣腕も忘れるべきではない。

 その一端は、たとえば國粹会の山口組傘下組み入れや住吉会系小林会幹部射殺事件での素早い和解、後藤忠政組長など山口組直系組長たちの処分と組外追放など、これまでも随所に見ることができる。

 高山若頭が現在狙っているターゲットは大きく九州と東京のようだ。

 九州では昨年10月、高山若頭は急遽福岡に飛び、福岡拘置所で工藤會総裁・野村悟被告と面談した。これは九州四社会に加盟する工藤會にとりあえず食い込もうとした最初の一石と見られている。

 工藤會は後に高山若頭のこうした意図に気づき、両者を面談に引き入れた工藤會幹部を降格したという。道仁会も四社会に加盟するが、ここも最近、四社会の同意を取り付けた上、住吉会と兄弟会を血縁している。前回すでにお伝えしたが、山口組から組織を防衛しようとの思いからである。

 高山若頭はなんとか九州に手を突っ込もうと、激しかったことで知られる道仁会対九州誠道会(現、浪川会)抗争さえ再現させようと工作中だと見る向きもある。

 また首都圏では住吉会と稲川会が抗争するよう仕向けているとも伝えられる。

 2019年1月、川崎で稲川会系組長が車から降りようとした際、同乗していた組員と女性が住吉会幸平一家幹部らに撃たれ、重傷を負う事件が発生したが、川崎の事件は、たまたま群馬県伊勢崎市で稲川会系が弘道会の直参を襲撃した日に、「犯人5人を逮捕」と発表された(うち4人は不起訴、釈放)。

 そのため話がこんぐらがって伝えられたが、群馬の本筋は弘道会対稲川会、川崎の本筋は稲川会対住吉会だという。

 川崎の事件は近々稲川会と住吉会の間で和解がなると見られるが、両者が相争い、六代目山口組と同様、「特定抗争」に指定されることこそ、高山若頭の望みとされる。

 なぜなら「特定抗争」指定で六代目山口組が課された事務所の使用禁止や5人以上の集会禁止などの不利益が早急に解消されると見込めない以上、他団体も同じような目に遭うことが望ましい。

 六代目山口組だけが不利益をこうむれば遅れをとる。暴力団地図を睨めば九州の道仁会に代表される地つき勢力と、首都圏の住吉会、稲川会に代表される広域団体が山口組全国制覇の障害になることは容易に見て取れる。

 高山若頭の得意手はトップの首を刎ね、2〜3位をトップに据えること。近々首都圏で内紛が発火するかもしれない。