414)弘道会系組長父子が襲撃された背景に何があるのか(21年3月8日)


 4月3日、午前3時半ごろ、群馬県伊勢崎市で六代目山口組の主力、弘道会直系栗山組の組長と実子の2人が拳銃で撃たれ、組員1人が車で轢かれて重傷を負った。襲ったのは稲川会系などの関係者と見られている。

 稲川会の内堀和也六代目会長(山川一家総長)は山口組の竹内照明若頭補佐(弘道会会長)と兄弟分であり、両組織は従来から密接に交際して来た。

 本来なら両組織がぶつかるなどあってはならないことだが、今回は稲川会側が弘道会側に手ひどく攻撃を加えたようだ。早晩、両組織の首脳部は話し合い、手打ちに持ち込むと見られている。

 しかし、他団体との永続的な交際は平和共存策として、とりわけ六代目山口組が重視してきた施策だった。今回、はからずもそれがほころびをみせ、高山若頭とすれば、痛恨の不祥事だったにちがいない。

2月には福岡県久留米市に本部を構える道仁会(小林哲治会長)と、山口組に次ぐ勢力を誇る住吉会(関功会長)が「五分の兄弟会として親戚関係の縁」を結んでいる。

 それを記す「御挨拶」には、わざわざ「住吉会総本部長、幸平一家十三代目総長加藤英孝殿の強い御要望と推挙により」関会長と小林会長の「両名熟慮協議を重ね四社会の同意を得、両会会員総意の下」関係を結んだ、とことわっている。

 四社会とは北九州市の工藤會、福岡県田川市の太州会、熊本市の熊本會、そして道仁会が加盟する暴力団の親睦会であり、九州ばかりか全国に名を知られている。道仁会、小林会長も全国に通じる勢威と知名度を誇っている。

 さらに幸平一家・加藤英孝総長は神戸山口組・井上邦雄組長と兄弟分とされ、神戸山口組の発足時から陰になり日向になり神戸山口組に容認的な姿勢を示している。

 つまり住吉会、道仁会の親戚付き合いは単に両組織が公然と親交関係を結んだだけに留まらず、六代目山口組の中核である弘道会を意識した同盟関係と受け取れる。

 表立って弘道会に敵対しようというのではなかろう。しかし、弘道会、あるいは六代目山口組の司忍組長、高山清司若頭が暴力団世界の盟主に納まることには異論があるといった空気は感じる。

 もともと司--高山ラインには弘道会幕府の創設、それによる暴力団世界の天下統一といった大構想があると見られて来た。信長、秀吉、家康と愛知県地域の関わりを見れば、そうした白日夢が持つある程度のリアリティも理解できよう。

 だが、当然、それを阻止しようとする反対機運も醸成されている。両者、どちらが先に礎石を固めていくか。これからの見どころだろう。