382)政界は山口組の再統一を望んでいるのか(19年10月7日)


 六代目山口組の高山清司若頭がほどなく府中刑務所から出所するが、身構えて待つはずの神戸山口組(井上邦雄組長)に奇怪な動きが出ている。

 主戦力の山健組・中田広志組長が8月下旬からずっと消息不明なのだ。組の会議や行事は全欠席、どこで何をしているのか、表向き一切伝わっていない。

 ほぼ同じころ、井上邦雄組長が何らかの理由で中田組長を手ひどく殴ったという噂が流れた。もともとが親分-子分関係だから、殴るぐらいのパワハラは不思議でない。この「殴打」と「消息不明」が関係あるのかないのか、それも分からない。

 これまで中田組長が率いる山健組からはかなりの数の組員が六代目山口組側に流れ、中田組長と弘道会とは完全にハンメのはずだが、一部にそれがそうでもないという観測がある。

 西日本の中立系団体幹部が言う。

「弘道会の今の若頭は中野寿城さんだ。中野さんは岐阜刑務所で中田組長と一緒だった時期があるとかで、双方ともよく知る関係だ。中田組長は中野さん経由で弘道会にもパイプを通じている。

 これに対して井上組長と弘道会は互いに不倶戴天の敵だ。中田組長は井上組長とは違い、その気になれば、六代目山口組への復帰だってあり得る」

 事実なら仰天情報である。分裂問題のあらかたは中田組長の弘道会パイプ、逆にいえば中野若頭の山健組パイプで解決できるかもしれない。

 さらに政界も山口組の再統一を望んでいると強調する向きがある。東京の事業家が言う。

「自民党の二階俊博幹事長は和歌山県御坊市の出で、中田広志組長も同じ御坊だ。二階幹事長の長男俊樹さんは16年御坊市長選に出て落選した。この俊樹さんは今、秘書をやっているが、以前から中田組長を慕っているとか。

 他方、和歌山県にはグリーンピア南紀の跡地開発、大阪には夢洲があり、それぞれカジノ誘致がくすぶっている。カジノ開発となれば、やはり有力ヤクザが地元ヤクザや同和などを頭抑えしないと、まとまる話がまとまらない。やはり関西には強いヤクザ、神戸山口組なり山健組なりが必要だって話になる」

 中田広志組長の「消息不明」が新たな三派相関図を浮き上がらせつつある。

 ついでにいえば、弘道会はなぜ新神戸駅近くの弘道会施設前、組員銃撃事件に「返し」をしないのか。ふつうなら、やられたらやり返すのがヤクザの流儀のはずだ。

 これも弘道会の神戸山口組担当責任者がこれまでの竹内照明組長から中野寿城若頭に交代したから、と解説する向きがある。裏に司忍組長の思惑があるということだろう。