380)五輪まで堅気を泣かせる山口組3派の睨み合い(19年8月26日)


 21日、午後6時過ぎ、神戸市中央区熊内町の弘道会施設前で弘道会系組員(51)が軽自動車で外出から戻った直後、追尾して来たミニバイク、ヘルメット姿の男がバイクから降りないまま、右手を伸ばして拳銃で運転席の組員を連射、銃弾は腹や腕など3カ所にあたり、組員は瀕死の重傷を負った。

 現場は6代目山口組・高山清司若頭が服役前、月曜から金曜まで山口組本部に詰めた際、専用宿泊所にしていた施設で、弘道会系組員が交代で宿直当番に当たっていた。銃撃された組員は弘道会の野内組とか高山組、稲葉地一家など有名組の傘下ではなく、単に弘道会の若中が率いる組に所属していた。

 高山若頭は今年10月、府中刑務所から満期出所する予定だが、警察により先ごろ事情聴取された際、「神戸山口組とは入江禎副組長を窓口に話し合う、任侠山口組には使者を送る」と回答し、分裂問題の解決に実力行使しない意向を示したらしい。

 であるなら、高山若頭は出所し、体調が戻った後、再び熊内町の施設を使う予定だったと見られる。その矢先、今回の攻撃が加えられ、安心して使えなくなった。それどころか、地域住民により組施設撤去運動が始まるかもしれない。

 山健組は今年4月、弘道会系組員により刃物で若頭を襲われた。その報復のため今回の襲撃になったと見るのが順当だろうが、中田広志・山健組組長は兵庫県警の問い合わせに「うちじゃないと思う。どこがやったか分からない」と答えたとされる。

 他方、事件発生の2日前、長野県下で任侠山口組系竹内組が弘道会系野内組の組員に傷害を与える事件が起きたらしい。で、阪神間には「下手人は任侠山口組では」という観測も流れている。

 しかし、長野県の事件が事実としても、次に報復するのは野内組のはずだ。任侠山口組がさらに弘道会に追い討ちをかけるのは理屈に合わない。

 だから、一種の攪乱情報じゃないかと大阪の事業家が言う。

「山健組は犯人が自分のところの誰と分かっても、警察に出頭させない。今回も単純な事件だけど、知らぬ存ぜぬを通して、結局、迷宮入りを狙うんじゃないか。どっちにしろ、今回の事件で、3派分裂の話し合い解決は流れる。しかし、だからといってオリンピックを控え、派手なドンパチも出来ない。

 3派の睨み合いが当分続くと見なければならない。飲み屋などでは泣く泣く2派にみかじめ料を払っているところもあるらしい。分裂のしっぱなしは堅気泣かせです」

 辛気くさい3派鼎立がまだまだ続きそうだ。