371)アポ電強盗にはタンス預金は埋蔵金(19年3月25日)


 世間にヤンキーとか青少年不良団とかいわれる若年層がいる。ヤンキーを説明するのは難しいが、たとえば、彼らはほとんど生産活動に従わず、第三者の財を自分のものにすることで生活する者と一応、説明できるかもしれない。

 つまり彼らの得意技は無断借用、カツアゲ、窃盗、寸借詐欺、強要、恐喝、信用詐欺、強盗などとなろう。このうちターゲットとする者に経済被害だけを与えるのが詐欺、経済被害に留まらず、身体と生命の損害も与えかねないのが恐喝、強盗、強殺の類といえる。

 江東区で発生したアポ電強盗殺人事件の犯人3人が捕まったが、問題は今後、アポ電強盗が流行するかどうかという一事だろう。すでに去年1年間で、アポ電がかかってきたという通報は都内だけで約3万4千件に上るという。

 息子など身内を装うアポ電がターゲットから引き出す情報はカネを出すか出さないかの感触、その金額、その場でカネを調達できるか否か、カネは現金で手持ちか銀行などへの預け入れか、手持ちの場合は保管場所などだろう。

 オレオレ詐欺なら、この後、受け子に命じてカネを受け取らせに行くが、アポ電強盗は短絡的にターゲットの家を訪ね、強盗を働く。

 強盗の場合、犯人は全身をターゲットにさらすから、ターゲットは犯人に素直にカネを渡そうとはしなくなる。それをむりやり奪うのが強盗であり、もみ合う中で強盗は簡単に強盗殺人に転じる。

 つまりターゲットにされる高齢者はアポ電を受け、犯人グループとやり取りするうちに自宅保管のカネの有無、手渡してもいいと思っているか否かを犯人グループに伝えたことになる。

 もちろんターゲットにとってアポ電強盗はオレオレ詐欺以上に危険である。カネだけでは済まず、命さえ奪われかねない。現に江東区の事件では、最初から犯人たちに殺意があったわけではなく、口をふさぐことで結果的にターゲットを窒息死させたらしい。

 オレオレ詐欺に対して高齢者は電話の録音機能や留守電機能を活用して、せめてもの対抗策とするほかないが、アポ電強盗に対してはさらにその上に、録画機能付きドアフォンやキーチェーンなどを活用し、見知らぬ者に安易に自宅ドアを開けないことが肝心になる。

 銀行金利が実質ゼロだから、利便性もあり、自宅でキャッシュを保管している高齢者が少なくない。強盗犯たちにはタンス預金が埋蔵金であり、ターゲットにしやすい。アポ電強盗は逮捕率が上がり、犯罪としてはオレオレ詐欺からの退化だが、今後増大する可能性は十分ある。