357)儲かる銘柄だった細野豪志(18年7月30日)


 政治家は儲かる商売か。政治資金規正法や各種法令、ルールをまじめに守るタイプでは儲かるまい。カネにすぐ手を出して貪欲、利益誘導に弱く、利権を握れるポストに居すわるような人間でないと、まずカネは残せまい。

 よって共産党や社会党の代議士、政治家はカネに縁がない。では、元希望の党憲法調査会長・細野豪志衆院議員はどうか。細野氏はカネを掴みそうだ。原則なしの融通無碍。彼に貸しをつくっておけば、いずれ2倍、3倍にして返してくれそうではないか。

たとえ返さなくても、利権や物件、ポストなどを世話してくれ、十分元は取れそうと、ソーシャル・レンディング(SL)会社「maneoマーケット」は考えたはずだ。

 簡単にいえば、細野氏は儲かりそうな優良投資物件だった。担保や抵当、借用書を取らなくても、返済計画や利率、返済期間などを決めなくとも、戻りはバッチリ。儲かりそうと期待できるから、去年10月、細野氏に5000万円を提供したのだろう。

SL会社はカネを投資したい人や企業と、カネを借りたい会社や人をネット上で結びつける融資仲介サービスである。カネを貸し付ける先は匿名が原則で、カネを何に使うのか、ほとんどカネの出し手には伝えられない。

事情をある程度知っているのはSL会社だけだが、損せずに儲かるなら、カネの出し手は文句をいわない。規定通り四角四面に運用することはないと考えたにちがいない。

猪瀬直樹元都知事の場合は、徳洲会グループの創設者、徳田虎雄という有力資産家が猪瀬氏に現金5000万円を手渡し、最初は借用書も取らなかった。当初の徳田氏の意識としては「貸してやった」というより「くれてやった」だろう。もちろん政治的な思惑があったからこそである。

しかし、細野氏の場合、カネの出し手は有力者ではない。小金がちょっと余っている一般投資家が多数だったはずだ。彼らはカネが誰に渡ったのかを知らず、まして細野議員がカネを何に使うか、知らなかった。知っているのはSL会社だけで、単に「儲かる政治家」としてカネを必要とする細野氏に「投げてやった」のだろう。

 政治家へのカネの投げ方として、細野氏の例はおそらく本邦初だろう。換言すれば、「儲かる政治家」として銘柄が確立すれば、自由にカネを融通してもらえる。カネの出し手も受け手もドライというか互いに無関心で、恩着せがましさも感謝の念もなく、政治への理想は皆無である。

 細野氏は5000万円問題の発覚後、今年4月に選挙運動費用収支報告書や資産報告書を訂正し、「借入金」として届け出、全額を返済したという。だが、本来の形は「借入金」でさえなく、単にSLから融通してもらったカネだったはずだ。