355)不正入学が見返りなら国税庁長官就任も同じだろう(18年7月9日)


 文部科学省の前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が4日、東京地検特捜部に受託収賄容疑で逮捕された。

 佐野容疑者は去年5月、省の官房長だったとき、東京医科大学の臼井正彦理事長(77)から請託を受け、同大を「私立大学研究ブランディング事業」の一校に選び、助成金3500万円を支払った。

 見返りに佐野容疑者は臼井理事長や鈴木衛学長を通じて、今年2月の一般入試に受験した自分の息子の成績にゲタを履かせ、不正に合格させてもらった。

 いくらわが子がかわいいとはいえ、文科省の官僚が後進国並みのわかりやすすぎる収賄に手を染めたものである。教育の根幹を司る文部官僚が絶対やってはならない犯罪だろう。

 しかし、これで改めてわからなくなるのは森友問題、加計学園問題では、なぜ縄付きの官僚や議員を出さないのか、という疑問である。やったことの基本は文科省の前局長・佐野容疑者と同様、受託収賄でないのか。

 財務省の理財局長だった佐川宣寿は森友との土地取引関係の決裁文書などを改竄して衆院予算委員会でウソの答弁をした。近畿財務局は森友学園に大阪府豊中市の国有地(大阪航空局の行政財産)をゴミ撤去費用などを名目に予価の1割程度に大幅値引きして売却した。

 佐川宣寿はその見返りに去年7月、国税庁長官に栄転した。これは佐野容疑者による息子の医大合格同様の収賄だろう。賄賂となる物件は現金でも大学合格でも性的接待でも、すべてが該当する。

 森友学園の当時の籠池泰典理事長は日本会議大阪の役員であり、安倍首相とは「復古的国粋主義」を同じくする思想的同志だった。だからこそ安倍昭恵は「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長と伝えられたのだ。

 しかし実際に佐川がやったことは同罪の麻生財務省が下した処分によっても、「停職3カ月懲戒処分相当」だった。それでいて、国税庁長官というのは賄賂以外のなにものでもあるまい。

 麻生は佐川のゲスな働きで安倍政権の長期化に手を貸し、安倍に貸しをつくった。安倍への賄賂は加計問題と併せ、お友達や同志たちのいや増す繁栄である。韓国のパク・クネ前大統領が抱えた問題と異ならない。パクは友人のチェ・スンシル問題で下野した。

 が、大阪地検特捜部は5月末、佐川宣寿など財務省幹部ら38人全員を嫌疑不十分などと不起訴にし、あげくなぜ不起訴か得々と記者会見まで開いた。検察自体が「忖度的贈賄」の手合いなのだ。