346)NHKの銀座ママ番組に抱いた違和感(18年5月7日)


 NHK「プロの流儀」で「銀座高級クラブのママ」をやっていた。再放送されたから、ご覧になった方も多いだろう。見ていて、なんとも座りの悪い違和感を感じた。ベテランの黒服に聞いても、同じような感想だった。
 番組は銀座のクラブの実情を見ず、高級イメージ路線に添うようすべてをきれい事で済ましている。少し貧乏話は混じるが、構成は旧態依然とした先入観で成り立っている。
 知り合いのマスターが言う。
「番組はまず料金の仕組みから説明すべきだ。じゃないと視聴者には話が見えてこない。
 店の大半は女性を雇用しているわけじゃなく、単に在籍させている。お客が払った料金は店と、そのお客を担当している女性とがおおよそ半々ずつ取る。つまり女性は被雇用者ではなく、単にその店を稼ぎ場にしている。
 店は半分とった料金の中から店の家賃や男性従業員の給料、酒やつまみの類、水道光熱費、税などを支払う。
 女性はお客を店に呼んだ分、月々受取額があるが、店の経営者は儲けを出すどころか赤字になる。そのため今銀座では個人経営が成り立たない。店の赤字の補填を損金で処理できる儲けの強い会社がバックについていて、辛うじて維持できている」
 オーナーママにスポンサーの資産家がつくぐらいでは間に合わない。それだけ経営が悪化しているからだが、経営悪化の理由は種々ある。
 交際費を使えない会社が増えた。接待は一次会のみ、2次会はなしという会社が増えた。かといって個人で払うには料金設定が高すぎる。料金を安くすると店が成り立たない。金持ちの高齢者で銀座に出かける体力のある者は少数だ——といった理由の他、
「お客の大半は店の女性と経済状況などについて語りたくない。それより若い10代の子を喜ぶ。えらそうなバアさんなど最初からお呼びでない。
 女性もお客としゃべくりなどしたくない。会話しないですむなら、むしろお金を貰ってホテルに行くって女性は珍しくない。
 つまり銀座のクラブの高級イメージ路線はもう破綻している。なにより社会的なニーズがない。『俺もようやく銀座で飲めるようになった』などと喜ぶ中年や若手は希少種だ。店の女性より会社の周りで知り合う女性の方が全然きれいで面白いと感じるお客が増えている」(先のマスター)
 それにしても番組では興醒めの女性ばかりを見せられた。現実にはもうちょっと美人もいる。