344)暴力団員が減る中、任侠山口組だけが増えている(18年4月16日)


 警察庁は12日、昨年末時点の暴力団構成員(組員)、準構成員(以下、準構と略す)は合計3万4500人、1958年(昭和33年)以降、最少になったと発表した。組員は前年比1300人減の1万6800人、準構は前年比3200人減の1万7700人という。

 これによると、指定暴力団はおよそ組員とほぼ同数の準構を抱えていると推測できる。準構は組に籍を置かないが、組事務所や組系列の企業などに日常的に出入りしている者と考えられる。

 発表によれば、6代目山口組1万300人、神戸山口組5100人という。これらは組員と準構を合わせた数だが、それぞれ減少している。去年4月に発足した任侠山口組についてはまだ今回の統計には現れていない(警察発表の暫定的な数字として組員460人、準構300人がある)。

 だが、今年3月末、任侠山口組が各ブロック会議で集約した数字があり、それによると、組員数764人、うち逮捕者118人、差し引き646人が表の部隊とされる。裏方である準構は800〜1000人、合計約1500人の勢力という。

 任侠山口組は間もなく発足1年を迎えるが、指定暴力団の中では唯一増員を果たしたことになりそうだ。というのは、同組の目標の一つに「カネがなくてもヤクザを続けられる」というのがあり、月会費10万円以下(直参と傘下団体の直参を兼任する組長は5万円)と、他団体に比べ、圧倒的に月会費(警察がいう上納金)が安いからだ。

 さらに定例会が他団体のように月一ではなく、奇数月に1度(偶数月は地元の直系組での会議)と、組員に極力、負担をかけないような仕組みになっている。

 とはいえ、現代に「カネがなくてもヤクザを続けられる」が、どこまで吸引力になるか、大いに疑わしい。いってみればヤクザ、暴力団は出版や新聞、銀行など以上に構造不況業種だからだ。

 警察庁はこぼれ落ちた組員や準構が半グレなどに移行することを恐れているようだが、すでに指定団体の一部は半グレを準構に抱えている。だが、ここでも任侠は「オレオレ詐欺など、お年寄りからカネを騙し取るのは男らしい行為か」と詰め、半グレを資金源にするつもりはないらしい。逆に半グレを善導するという。

 つまりは任侠の復活である。筆者は日本にかつて任侠道が実践されたときがあったかと疑問視しているが、任侠にヤクザの生き残りを賭けるというのは、たとえドン・キホーテ風とクサされようと、壮大な夢にはちがいない。