341)任侠山口組が指定暴力団になったが、ますますヤクザは潜るだろう(18年3月26日)


 兵庫県公安委員会は22日、任侠山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」に指定したと官報で公示した。織田絆誠代表をトップに、勢力は1都1道2府12県に広がり、全国で23番目の指定暴力団である。

 次の23日、任侠山口組は指定を待っていたかのように組織を大幅改変した。初めて若頭(池田幸治・真鍋組組長)や若頭補佐4人(金沢成樹・山健連合会会長、大谷榮伸・京滋連合会長、植木亨植木会会長、前川勝優・北海道絆連合会長)などの地位・役職を設け、人事を決めたのだ。

 よりヤクザっぽい組織に変身したとはいえるが、織田代表とメンバーとの間に親子、兄弟盃は行われていないようだ。警察発表の構成員数460人は過小評価が疑われるが、そのまま鵜呑みにすれば道仁会(福岡県)、極東会(東京都)、松葉会(東京都)にほぼ肩を並べる勢力であり、全国8位にランクされる。

 今回の指定で名実ともに「山口組三国志」が公認され、これから長期にわたって三つ巴の栄枯盛衰物語が展開していく。ときには銃弾が火を噴く抗争も起きるだろう。

 だが、来年は天皇の退位と即位、再来年は東京オリンピックで各団体とも抗争を自粛するはずだから、いきおい対立抗争状態はだらだらと長引いていく。いかに長引く苦境に耐えるか、我慢比べの様相を呈する。

 その間にも団体を問わず、組員たちは少しずつ欠け落ちていく。不景気に併せヤクザ業界の高齢化が進んでいるからだ。おまけに暴力団自体がメンバー数を少なく見せようとしている。

 警察に大人数を把握されていいことは何もないし、とりわけ山健組系では、率いる組員1人につき月1万円を上納する登録料制度があったため、内部的にも組員数を実数より少なく上に報告する習慣があった。

 今でも暴力団に籍を置かない組員、準組員は少なくないはずだが、今後はさらに増加するにちがいない。つまり暴力団が地下にもぐる、暴力団の非公然化が進んでいこう。

 警察はオレオレ詐欺や金塊密輸に手を染める半グレ集団の実態をほとんど把握していないが、ゆくゆく暴力団の実態もさらに把握しづらくなる。中には半グレ集団を吸収していく暴力団も登場しよう。全体的には暴力団と半グレの境界が溶融していく中で山口組三国志が戦われていく。

 暴力団にとっても警察にとっても、まるでスッキリ感のない薄暮のぶつかり合いになるはずである。