336)様変わりした危険ドラッグ市場(18年2月19日)


 日本で根絶されたはずの危険ドラッグだが、1月には東京都練馬区のアパートで危険ドラッグやその原料約185キロ(36億円相当)を押収、6人が逮捕された。また去年11月には川崎市多摩区の一軒家で原料180キロやハーブ1・6トン、攪拌機など30億円相当が押収され、男女6人の逮捕となった。

 再び危険ドラッグは日本で息を吹き返すのか。かつて危険ドラッグ製造・販売の元締めだったX氏は「以前とは様子がちがう」と言う。

「今のお客は覚醒剤もやっている人だ。以前、危険ドラッグをちょこっと摘まんで、あれが一番自分に合うんだよなという人が『α-PVPが手に入らないか。MDPHVをまたやりたいんだけど』などと、一時期が過ぎた危険ドラッグを懐かしんでいる。

 覚醒剤と一緒に使う人もいるし、別々に使う人もいる。だが、どっちにしろ客はド素人ではなく、危険ドラッグの吸引は犯罪だと承知しつつ、それでも手を出している。

 だからブツを扱う業者も半グレなんかじゃない。覚醒剤を扱う本物ヤクザが客の注文で危険ドラッグを捌いている。以前、危険ドラッグの単価は3000円、4000円のレベルだったが、今は覚醒剤並みに1万円単位の商売になっている」

 単純な危険ドラッグ復活劇ではないらしい。しかも2014年ごろまで危険ドラッグ原料を日本に密輸出していた中国の化学メーカーが今は日本に荷を送りたがらないという。

「中国国内の薬物規制もある。その中でまだ規制されていない化学物質の場合は、日本からの注文に応じて製造、日本に出荷している。原料の化学物質は全般的に品薄状態。モノによっては辛うじて東欧や中欧、インドなどから仕入れている。

 また以前、日本の危険ドラッグ製造の大手は練馬のS、それにフィジーが拠点といわれていたHの2つだったが、練馬は今回の逮捕でほぼ壊滅状態。またフィジーのHは何のことはない、世田谷に本拠を構えていたらしく、これも手入れを受けて大きく傾いた。

 今はヤクザがかつての危険ドラッグ経験者を集めて、原材料から手当てしている。六代目山口組系の某有力組織はツテがあって、横浜港から原料を荷揚げしているといった噂まで飛んでいる。

 原料さえ手に入れば、細切れにしたハーブに吹き付けて乾燥、パッケージするだけという安直な業界です」(X氏)

 以前に比べれば危険ドラッグ市場は圧倒的に縮小しているが、それでもしつこくドラッグへの揺り戻しがあるようだ。