335)依存症対策という警察の腐朽化(18年2月5日) 


 2月1日からパチンコの出玉の上限を約3分の2に引き下げる風営法施行規則が施行された。警察庁によるギャンブル依存症対策の一つである。

 具体的には4時間で獲得できる玉の数を5万円分を下回るようにするほか、1回の大当たりで獲得できる玉の数を2400個から1500個に引き下げる。

 これにより負けを取り戻そうとする客の思いを抑制するとしている。パチンコに「一撃性」を求める人にとっては、パチンコがさらにつまらなくなる事態である。

 客離れは今に始まったことではない。パチンコの市場規模は2005年34兆8620億円と推計されたが、この05年をピークに売上げは漸減し、2016年には21兆6260億円へと減少した。

 かってパチンコのシェアは競馬や競輪、宝くじなどゲーミング市場(ギャンブル市場)全体の5割を超えていたが、13年以降、5割を割り込んでいる。すでに20兆円市場でさえない可能性があるのだ。

 が、業界も単に手をつかねているだけではない。パチンコ台をつくる日本遊技機工業組合や大手ホールの集まりは研究を重ね、通称「管理遊技機」や「ちょいパチ」のための「ハヤブサ」など、依存症対策のため、高い射倖性を防ぎ、かつゲームとして面白い台を送り出そうとしている。

 世界に冠たる、日本独自の娯楽・文化装置であるパチンコ、パチスロは変容を迫られ続けている。ホールの実態は依然としてミニ・カジノであり、ミニ・カジノが全国津々浦々に立地するのは異様、かつ非生産的に過ぎる。

 今後ホールの数はますます絞られていく。近年業界で進行している弱肉強食はさらに強まるはずだ。勝ち残るのは多店舗展開する大手であり、中小店はさらに淘汰されていく。

 ギャンブルである以上、官の統制を受けるのは仕方がない。官の統制にスムーズに対応できるのは大手だろう。その上で官はホールに胴元としての利益を吐き出すよう強請する。

「依存症患者を出しっ放しにして、すむはずがないだろう」、「売上げも税金もごまかしてるな。お前は信用できないから、カネの出入りは官が一元管理する。台からの通信線は官の直結にする」

 問題はパチンコの取締当局である警察が業界を管理下に置き、警察の豊潤な植民地にしていることだ。警察はますます腐朽して、国民大衆の利益から離れていく。