323)「北朝鮮のおかげ」と言い放った安倍内閣のナチス体質(17年10月30日)


 麻生太郎副総理は26日、都内の講演で自民党の衆院選勝利について「明らかに北朝鮮のおかげもありましょうし、いろんな方々がいろんな意識をお持ちになられた」と述べた。この発言が麻生のホンネであることは間違いない。

 衆院選の前、北朝鮮は太平洋に向け数度にわたってミサイルをぶっ放し、北海道など日本列島の上空を飛翔させた。

 安倍内閣はその度にJアラート(全国瞬時警報システム)で警報を出し、一部地域で電車の運行を停め、学校を休校し、教室の生徒を這いつくばらせて頭を抱え込ませた。

 北のミサイルは弾頭に核を装着していないかぎり、たとえ日本の上空で落下しようと、大気中で燃え尽きる。万一小さな破片が地上に到達しても、その被害は落雷にも及ばないと推測されている。

 もちろん北のミサイルが核を装着しているなら、悠長なことは言ってられないが、現在、核は「抜かざる宝刀」に留まることに価値があることは、トチ狂った金正恩でさえ承知していよう。

 要するに安倍がやったことは日本国民に対する不必要で見当外れ、漫画チックな危機感の扇りだった。多くの人がテレビの映像でJアラートと、その結果のバカ騒ぎを見るにつけ、「バッカじゃね」と思ったはずだが、中にはまともに北に脅威と危機を感じた人たちがいた。

 それが自民党を勝たせたと麻生は言っている。外に敵を作ることはもっとも手っ取り早く効率的に内部を固め、国民に敵愾心を抱かせ、敵以外の問題を忘れさせる手段である。

 ここで多くの人が思い出すのは、ドイツの国会議事堂放火事件だろう。

 1933年2月、ドイツで国会議事堂が炎上し、焼け跡に半裸の男がうずくまっていた。この男はオランダ人で、オランダ共産党員だったとされる。ルッペといい、彼は「放火は資本主義に対する抗議だ」と犯行を認めた。

 捜査を指揮したプロイセン内務省の政治警察部長は「一人の狂人の単独犯行」としたが、ヒトラーは「多数コミュニストの仕業だ。我々はこの危険な害虫どもを叩き潰さなければならない」と叫び、以後、次々に共産主義者や無政府主義者、社会民主主義者などを逮捕し、突撃隊を使って数十人もの人間を殺した。

 安倍は北への危機と憎悪を煽って国会で3分の2以上を占め、戦前的な憲法への改悪に着手しようとしている。北ミサイルの悪用はさらに悪質なフレームアップ、謀略と弾圧に拡大する可能性がある。

 国民、中でもメディアは、安倍が邪悪で危険な宰相であることを肝に銘じるべきだろう。