315)北が核を持っても米国は困らない(17年8月21日)


 米民主党の一部に北朝鮮に関し、次のような考え方があると、同党にパイプを持つ知人が言っていた。

 それは北が核を持ちたいのなら、持たせればいい、という考えらしい。北が核を持ったところでアメリカは痛くも痒くもない。インドやパキスタンは核を持っているが、何も問題を起こしていないではないか、と。

 国際的には核拡散防止条約があり、現在190カ国が締結している。核を持っていた南アフリカは核兵器を放棄し、非核兵器国として条約を締結した。北に核兵器を持たせたとして、禁ずるべきは核の拡散だけである。他国に核兵器や関連技術を輸出してはならない。

 北がそれさえ守るなら、朝鮮戦争は休戦ではなく、きっちり終結させ、韓国、日本、アメリカなどは北と平和条約と相互不可侵条約を結ぶ。日本は北に対し戦後賠償責任を果たし、同時に北に資本進出する。北には中国を問題としないほど勤勉で優秀、安価な労働力がある。

 北が求めるなら金正恩や金王朝の安全、安泰も保証する。北は立憲君主制なり、共和制なり、好きな政体を採用すればいい。もちろん国交回復に伴い、拉致問題などは解決させていく。

 と、どうなるか、と知人は言うのだ。北のミサイルは米・韓・日ではなく、中国に向けられる。北と中国は不即不離の関係というが、実態は逆で、きわめて険悪である。その証拠に金正恩は一度も中国詣でしてないし、習近平と顔を合わせたことさえない。

 米・韓・日が北と国交を結ぶことで、中国は孤立する。また中国の周りを露、インド、パキスタン、北朝鮮と、核を持つ国がずらりと囲むことになる。北東アジアは完全に安定する。

 米の最大の敵は北朝鮮ではなく、中国なのだ。中国共産党という独裁システムを潰すことができれば、米にとって最高のメリットになる。反対に核を認めることのデメリットはほとんど考えられない。このことは単に北の核を認めるだけで達成されるのだ、と。

 しかし、そうはいっても、日本の世論は北の核を認めたがらないだろう。核は拡散しないに越したことはないからだ。まして金正恩という異常な男の駄々を認めることになるなど、真っ平ご免だろう。

 しかし北の核を認めるという点に視線をちょっとずらすと、思いがけない関係図が見えてくる。別に請け売りするつもりはないが、あえてこうした説があると、ご紹介しておきたい。