314)北の核の問題点 公平に論じてみる(17年8月14日)


 アメリカと北朝鮮が互いにカマシを入れ合っている。トランプ大統領は北朝鮮が挑発を続ければ「世界が見たことがない炎と怒りを受けることになる」と脅し、北朝鮮は新型中距離弾道ミサイル「火星12」をグアム島周辺、30〜40キロの海上水域に4発同時に発射するなどと言い始めた。

 香港が中国に返還される前、14Kなど香港のマフィア組織、三合会について取材したことがある。そのとき香港人が言っていた言葉を思い出した。

「こっちのマフィアは相手マフィアとぶつかると、仲間を呼び集め、道路の向こう側の相手に大声をあげて虚勢を張る。と、向こうも仲間を呼び集め、道路の向こう側から悪罵を投げつける。

 双方とも時間が経つうち人数が増えていくが、いっこう直接行動に出ず、見ていていらいらさせられる。結局は集団的な口げんかでチョンです」

 知恵ある喧嘩の仕方だろう。双方とも怪我をせず、命を失わず、メンツもつぶさない。警察にも逮捕されずに振り上げた拳を納めることができれば、御の字ではないか。米、北朝鮮とも口げんかだけで納めてもらいたいものだが、この際、改めて北朝鮮のどこが悪いか考えてみる。

 まず北朝鮮は核保有国になれば、存続を脅かされることなく、世界で一目置かれる存在になれると考えている。まあ、一理ぐらいある考えだろうから、核を持つ米中露辺りが「オレは持っているけど、お前は持つな」と言っても、通りが悪い。

 次にミサイルや人工衛星を打ち上げ、本体か残骸を公海上に落下させる。これは北朝鮮が絶対やってはいけないことなのか。

 種子島でHⅡAロケットの打ち上げを見たことがあるが、事故時も考えてのことだろう、落下が予想される海域にちょっとでも船影を捉えれば、ただちに打ち上げを中止し、危険が去ってからカウントダウンを再開していた。

 北朝鮮にこうした措置がとれるなら、たぶん公海の利用は許されるはずである。それが排他的経済水域ではどうか、ある国の上空飛翔ではどうか、となると、問題は難しそうだが、寄ってたかって袋叩きにする悪事とも思えない。

 他国が一番恐れるのは精神に異常を来すかもしれない独裁者が核のボタンを押す可能性があり、かつ国内にそれをチェック、制止する権能を持つ組織、制度がないことだ。

 世界にバカっぽい民主主義はゴマンとあるが、それでも軍事独裁よりは安心できる。