298)米国は儲かる北朝鮮を潰さない(17年4月17日)


 アルカーイダの司令官オサマ・ビンラディンは6年前、米海軍特殊部隊SEALsによりパキスタンで殺害された。今また米原子力空母カールビンソンが朝鮮半島の近海に接近し、米大統領トランプは11日、「我々には空母よりもさらに強力な潜水艦がある」と軍事力を誇示している。

 朝鮮近海で空母と合流する潜水艦にはSEALsが乗り込み、朝鮮労働党委員長金正恩を、ビンラディンのように暗殺するのではないかと観測されている。

 米軍が北朝鮮を攻撃し、金正恩を殺害すると、北朝鮮から難民があふれ出るのか。なにより難民の発生を中国や韓国は恐れていると伝えられる。

 難民は出ないとする北の研究家もいる。

「確かにその国で内戦が起きれば、国を捨てる難民が出る。しかし、金正恩を殺害することで北は分裂、内戦が起きるかといえば、起きません。金正恩に代わる人間が出てきて新政府をつくるだけだ。国民はとりあえず新政府に従う」

 よりマシな政府ができて難民が出ないなら、金正恩を殺してもいい。その方が核だ、弾道ミサイルだという北のうるさい話を聞かずに済む。

「しかし、アメリカは北に対し武力行使をしません。なぜアメリカはシリアに対して、巡航ミサイルを撃ち込んだかといえば、イスラエルがシリア・アサド政権を潰したいと思っているからだ。トランプはイスラエルと一体化している。

 ひきくらべ北朝鮮を攻撃して潰しても、まるでアメリカの得にならない。アメリカには北に反対するロビー活動はない。カネの出し手がいないのだから、北を攻撃する理由がない。逆に北朝鮮が分からず屋のワルであればあるほど、アメリカは日本や韓国にメチャクチャ高い防禦兵器を売れる。米軍需産業が儲かり、トランプは日本にさらなる従属を強いられる。

 アメリカは北の核やミサイルなど問題にもしていない。北が1発打ち込めば、アメリカは数百発でも打ち込む。北を地上から蒸発させるぐらい兵力差がある。

 だからアメリカは北に対して何もしないと見ていい。恰好だけ。中国も動かない。米軍基地を抱える日本と韓国だけがオロオロする状態が続くが、北朝鮮も日本には攻撃しないはずです。米の攻撃を呼び込むきっかけをつくりたくないからです」

 日本の平穏は関係各国の冷静な損得計算に掛かっている。関係国の冷静さがどこかで破れると、日本も戦禍に巻き込まれる。