293)森友疑惑について合理的に考察する(17年3月6日)


「森友学園」問題は1日、自民党の鴻池祥肇参院議員(元防災担当相)が学園の籠池泰典理事長から土地取得について働き掛けを受け、共産党や一部メディアに籠池氏がらみの「陳情整理報告書」の存在を明かしたことで、大枠の経緯が明らかになってきた。

 それによれば、16年3月11日、建設地のくい打ち工事で地下埋設物が発見され、籠池氏が鴻池事務所に相談に来、「小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満。3月15日に本省に行く、アポをお願いしたい」との記載があった。鴻池事務所はこのアポ取りを断り、以後、籠池氏からの連絡は途絶えたという。

 しかし3月15日ごろ、籠池氏は予定通り財務省の本省で理財局の審理室長と会った。誰が両者をつないだのか。鴻池氏以外の政治家がいて、政界工作を継続したと考えるのが常識だろう。籠池氏の注文通り16年6月、土地は鑑定価格9億5600万円からゴミ撤去費用約8億円を差っ引いた1億3400万円で売買契約が成立したのだから。

 ここで注目すべきは当日刊ゲンダイ2月28日号(27日発行)の記事だろう。15年9月3日の首相動静に「午後2時17分から10分間 、官邸で財務省の迫田英典・理財局長(現国税庁長官)と会談」とあると指摘している。次の4日に安倍氏は大阪に飛ぶ。その大阪の近畿財務局9階の会議室では森友学園側から「瑞穂の國記念小學院」の校舎建築を請け負った設計会社、建設会社の両所長と国交省大阪航空局の調査係、近畿財務局の統括管理官が用地の埋設ゴミについて話し合ったとされる。

 そして次の9月5日、安倍昭恵夫人は籠池氏が経営する塚本幼稚園で講演し、同日、「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任する。また塚本幼稚園の15年度PTA収支報告書に「社会教育費9/5首相夫人安倍昭恵先生」と記載されているという(2月28日参院予算委、舟山康江議員)。常識的には講演料ととるしかない。

 つまり安倍首相夫妻の籠池氏との交際は鴻池氏とほぼ同時であり、新たに財務省に働き掛けた政治家が誰かと探すより、安倍首相本人と考えた方が合理的なのだ。

 自民党の元幹部が言う。

「近畿財務局は“花の近財”といって昔から財務官僚にとっては憧れのポスト。そこの長である以上、前例を踏襲して、踏み外してはならない。森友学園の土地購入は異常措置の連発であり、財務官僚がもっとも嫌う。こうした変則処理は鴻池ぐらいではこなせない。まさしく安倍クラスの大物の専権事項だ。清和会では今後問題がどう展開するか、ひやひやしながら見守っている」
 安倍首相が高転びする日が近いかもしれない。