287)勝負あった会津小鉄会トップ人事への介入騒動(17年1月23日)


 新年早々、古都を騒がせた会津小鉄会の人事抗争は、どうやら親神戸山口組側が主導権を握り、六代目山口組側による小鉄会工作は空転で終わりそうだ。

 分かりにくいのでまず概略を示しておこう。今の6代目会津小鉄会・馬場美次会長は08年に会長になったが、馬場会長には山口組の高山清司若頭(弘道会前会長。14年末、府中刑務所に収監)が後見人についた。馬場会長はまた山健組の井上邦雄組長(現、神戸山口組の組長)と兄弟分の関係にあった。

 本来、暴力団の首領が他団体の首領や最高幹部から後見を受ける必要はない。しかも6代目山口組の場合、後見人になるのはタダではなく、後見された者は盆暮れの挨拶などで多額の現金を後見人に運ばねばならない。

 馬場会長は去年10月、正式に後見——被後見の関係の解消を高山若頭側に伝えた。馬場氏の心情は六代目寄りではなく、むしろ神戸寄りだったと推測できる。

 当然、六代目側は面白くない。それでこの1月10日、弘道会幹部や組員を動員、京都市下京区にある会津小鉄会本部に押し掛け、馬場会長に引退と、次期会長に原田昇若頭(京都、心誠会会長)を就けるよう迫った。挙げ句、馬場会長の印鑑を無断使用した上、交際団体に代目継承を知らせる書状を作成、ファックスした。

 馬場会長はいったん本部を留守にして山健側などと協議、翌日の早朝、山健の組員などと一緒に本部に戻り、弘道会や原田若頭一派の排除に動いた。このときは京都府警も両派の衝突回避のため本部を固め、その前で言い合いになった。

 馬場会長側が「こいつらは人の印鑑を無断で使ってデタラメ文書をでっち上げた」といえば、府警側が「それなら私文書偽造で被害届けを出して下さい」。「ヤクザとして届けは出さない」と答えるなど、やり取りは白熱した。馬場会長側は結局、前の書状を否定する文書を作成、ファックスしている。

 弘道会で「今、もっとも勢いがある」と囁かれるのは野内正博若頭補佐(渉外総括委員長、岐阜市、野内組)だろうが、彼もこのやり取りに参加、「うちは後見人や。後見人が人事で物申すのは当然や」などといった。と、すかさず「去年10月に解消しとるんや。それに後見しとるからといって、他団体の人事に口出しできるんか」と逆ネジを食わされ、やり取りは全て録音されたという。

 その上で21日、馬場会長を総裁に、金子利典顧問(京都市、いろは会会長)を7代目会長に据える盃直しが挙行される。勝負あったというべきだろう。