溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

303)織田代表が語るヤクザ業界改革の言やよし(17年5月23日)

 任侠団体山口組が旗揚げして20日余り、他団体でもその主張に共鳴、所属団体の体質改善を図ろうとする模索が始まっているようだ。

 織田絆誠代表が言う。

「各団体とも上層部のための集金システムがガンになってます。中堅、若手は毎月の会費、つまり上納金に苦しみ抜いている。バブル期に膨らんだシステムがバブルがしぼんだ後もそのまま残って、上層部を左うちわに、中堅若手層を塗炭の苦しみに置いている。

 私は指定22団体の上層部を全部敵に回してでも、このシステムをぶち壊しにかかります。いわば業界革命です。下を吸い上げておいしい飯を食っているくせに下に向かって「生まれた時代が悪かったね」と、上層部には言わせません。時間がかかっても、10年以内には全てぶち壊します」

 この言や良しだろう。何より山口組にこだわらず、全暴力団を相手取る気宇壮大さがいい。

 実際、ハタで見ていても暴力団の、特に親分—子分関係は中身を代えるべきと思う。「男が男に惚れて」親子関係を結ぶのが本来のはずだが、現状は集団結婚と同様、親分の人柄など見る機会もないまま、盃を戴いている。

 そのくせ「親が黒いものを白いと言っても、子はそれに従う」と誓わせられるのだから、ナンセンスも極まる。

 子が親に素直に従うためには、親も勉強し、事に臨んで理にかなった判断を下さなければならない。ところが親分は遊び呆けて、子分にせっせっとカネを運ばせ、カネを多く運べば運ぶほど目をかけるのでは、反乱も起きよう。

 若者を多数雇用し、過重労働、違法労働で使いつぶす会社をブラック企業という。しかしブラック企業はわずかでも若者に給料を払う。だが、暴力団は若者に給料を払うどころか、逆に「組の代紋のおかげで稼いだんだろう」と多額のカネ(月会費)を取る。

 1日に1回は組事務所に顔を出させるか、電話させる。組の催事のたびに私的シノギや家事を放り出させて参加させる。組の上層部が来れば、車の運転やガードに動員する。事務所当番、本家当番などで頻繁に夜勤がある。弁当が出るくらいで、全部タダ労働である。

 山口組の分裂以来、会津小鉄や今回の任侠団体山口組など、分裂が続き、その度に「逆盃」現象が発生した。本来ヤクザがやってはならない行為とされるが、上が改まらないなら「造反有理」、現実が立て前を乗り越え、中身を作り変えていく。



302)任侠団体山口組の独立は「コップの中の内輪もめ」ではない(17年5月15日)
301)神戸山口組分裂、織田代表に真意と展望を聞いた 侠道精神を取り戻す(17年5月8日)
300)半グレ集団の賢くも仁義なき金儲けビジネス、巨万の富を蓄積(17年5月1日)
299)福岡現金3・8億円強奪の背景を読む(17年4月24日)
298)米国は儲かる北朝鮮を潰さない(17年4月17日)
297)老齢化が進む暴力団のミジメな今後(17年4月10日)
296)ならず者の最後の避難所愛国心の大ボスは誰か(17年4月3日)
295)共謀罪、血祭りに上げられるのはテロリストより暴力団(17年3月27日)
294)北朝鮮を国連から除名することは有効なのか(17年3月13日)
293)森友疑惑について合理的に考察する(17年3月6日)
292)カネが飛び交う医者と暴力団の関係(17年2月27日)
291)米国は先制攻撃よりも中国を利用するだろう(17年2月20日)
290)分裂した会津小鉄会、2つの組織にこれだけの差(17年2月13日)
289)へたれの安倍首相は暴力団よりも劣る(17年2月6日)
288)原発世迷い言の暗愚の宰相(17年1月30日)
287)勝負あった会津小鉄会トップ人事への介入騒動(17年1月23日)
286)司組長の誕生日を前に元山健組の大幹部が飛び出した(17年1月16日)

<斬り込み時評バックナンバー>

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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