溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

379)権力にへつらうお笑いなど見たくもない(19年8月5日)

 メディア上では吉本興業の半グレ問題がまだ続いている。おかげで日韓貿易問題など他の重要案件が消されがちだが、いい加減、吉本問題に食傷気味の人は多いにちがいない。

 筆者もその1人だが、たまたま関西の吉本通の人から話を聞き、彼が解き明かしてくれた関係図に興味をそそられた。

 概要はこうである。

<宮迫博之が100万円の出演料を受け取った特殊詐欺集団とはK(16年の逮捕時28歳)が仕切る50人ほどのグループです。Kは10人ほどから成る架け子グループ5つ以上を動かし、13年末までの1年半に200人以上から40億円超を騙し取った。

 このKはエステサロン関係のC社も営み、そこに詐取したカネを流用していた。C社は吉本興業通しのイベントに協賛するなど、吉本興業の得意先の一つでした>

 つまり半グレと営業上の交際があったのは宮迫以前に吉本興業本社だったというのだ。

<だから宮迫が吉本興業にギャラをもらったと報告しても、上層部は「静観で行きましょう」とそれを公表することを止めた。火の粉が宮迫より手前、吉本本体に降りかかる恐れがあったからです>

 7月13日、吉本は宮迫など13人の金銭授受を公表したが、当初宮迫はノーギャラを主張したため、宮迫だけを嘘つきとして切り捨てる方針で行こうと決めたようだ。

<この辺りでダウンタウンの松本人志や島田紳助が動き出しますが、彼らは吉本興業ホールディングス会長の大崎洋、その子分で吉本興業社長の岡本彰彦とべったりで、ハナから吉本の体質改善などに興味はない。大崎が抱く野望を頓挫させるわけにはいかんと思っているだけです>

 大崎の持つ野望とはどういうものか。

<カジノです。カジノにはショーが行える一大施設が付属する。沖縄では辺野古基地を完成させ、普天間基地を移転する。その跡地をカジノにする構想があり、何としてもそこに1枚加わりたい。だから大崎は沖縄国際映画祭を続けたり、エンタメの専門学校を作って、早い時期から沖縄にツバをつけている。

 大阪でも夢洲での大阪万博、跡地でのカジノ誘致などにシャカリキです。まるで維新の会や安倍政権の小判鮫。権力にべったりくっつき、考えることは甘い汁を吸うことだけ>

 権力にへつらうお笑いなどに用はない。テレビ局も吉本の芸人なしの番組を考えた方がいい。



<斬り込み時評バックナンバー>

378)スクープ写真を金で買うのは悪なのか(19年7月22日)
377)反社にも暴力団同様の判断をした吉本の新対応(19年7月1日)
376)特殊詐欺を善行と考える若者たち(19年6月17日)
375)特殊詐欺の半グレを組員にしない抜け穴(19年6月3日)
374)米国の華為潰し、日本も同じ目に遭っている(19年5月20日)
373)任侠山口組で織田代表と親子盃、舎弟盃(19年4月22日)
372)忖度させた安倍首相も麻生大臣も同罪だ(19年4月8日)
371)アポ電強盗にはタンス預金は埋蔵金(19年3月25日)
370)「アポ電強盗」は「オレオレ詐欺」の兼業なのか(19年3月11日)
369)取締りを強化してもオレオレ詐欺が減らない理由(19年2月25日) 
368)クレジットカードを持てない人はこれだけいる(19年2月4日)
367)早くも再逮捕説が流れている高山若頭(19年1月21日)

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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