溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

411)六代目山口組・高山若頭が説く「まじめなヤクザ道」(21年1月4日)

 山口組の分裂抗争は去年末までに決着せず、今年に持ち越された。現状、六代目山口組が圧倒的に優勢だが、かといって近々抗争が解決するようなメドは立っていない。

 六代目山口組の最終的な抗争指揮は高山清司若頭が執っているが、改めて彼が抗争にどのような考えを持っているのかチェックしてみよう。

 以前、高山像に詳しい弘道会の幹部や組員などに話を聞いたが、高山若頭が好んで口にするのは「まじめ」だという。

「喧嘩するのでも、まじめに喧嘩しろ。ふざけ半分でするなっていうこと。上に報告するのでも、まじめに報告せよといいます。そのまじめっていうのは事実、現実に対するまじめさだと思う。ウソはもちろん、いい加減をものすごく嫌う。だから、ヤクザの道でもその人間がまじめなら、なんとかしてくれるという安心感がある」

 ヤクザの道でまじめとはどういうことか。

「極端のことをいうなら、懲役に行かない、懲役に行くことを恐れるような組員なら、要らないってことです。たとえば上の人間が『お前のところ、兵隊おるか』と聞いて、下の者が『おります。いつでも使って下さい』と答えたら合格です。これを『おるか、おらんか、ちょっと調べてみます』と返事をしたら、その場で根性を見られる。ペケがつく。

 一事が万事、こういうことで、懲役行かんでなぜヤクザかって考えがある。そのかわり懲役に行った者に対しては、その家族を含めて、シャバにいる組員より大事にする。懲役に行った者がいるから、俺たちうまい飯を食えるんだという考えが徹底してるんです」(元弘道会組員)

 逆に高山若頭が破門、絶縁した組員に対しては徹頭徹尾冷たいという。

「破門になったいうんは組織を裏切ったからだ。そんな者になぜうまい飯を食わせる必要がある? わずか十円の飯でも食わさんと考えている。弘道会は他の組とは違う。破門されたからには徹底的にやられる。まして警察とつるんだことで破門された日には、命の保証さえない」

 一昨年10月、神戸山口組の中心勢力山健組の組員2人を射殺した弘道会系組員丸山俊夫被告(70)が大晦日、拘置所で死亡したが、弘道会はこうした丸山の遺族に対し、殺人の敢行を賞揚し、慰労するために多額の金品を贈ることはもちろんである。抗争での賞揚行為は暴力団対策法で中止命令が出せる決まりだが、ほとんどヤクザ側は無視している。

 高山若頭のこうした考えに基づく攻撃指令が物をいい、今のところ六代目山口組が優勢といえるが、しかし高山の考えはすでに時代に後れ、現代ヤクザ社会に合わなくなってきている。



<斬り込み時評バックナンバー>

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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