溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

358)6代目山口組内で新たな内紛の動き(18年8月6日)

 3派に分裂した山口組の中で主流といえば6代目山口組(司忍組長)だろうが、最近、新たな内紛につながりかねない動きが始まった。

 テーマは誰がどう分裂騒ぎに決着をつけるかである。来年10月ごろ、高山清司若頭が懲役を終え、東京・府中刑務所を出所する。高山若頭が分裂騒ぎに決着をつけられるとは思えないが、もし高山若頭が決着をつけられたなら、司組長は「無能の組長」として引退し、高山若頭に7代目組長を譲らざるを得ない。

 そうでなくても高山若頭は4000万円恐喝事件で最高裁に上告しながら、急に上告を取り下げ、あっさり服役した経緯がある。わざわざ上告を取り下げた理由は何か。さっさっと服役をすませ、出所後、司組長から組長の座を禅譲するという約束を取り付けたからと見る向きが多い。

 しかし、山口組の組長は終身が原則である。しかも高山若頭は司組長より5歳若いとはいえ、脊椎の病気で背が曲がり、自立歩行さえ覚束ない。余命もおそらく司組長の方が長いだろう。

 とすれば、司組長が高山若頭の出所前に分裂騒ぎを治め、胸を張って組長を続けたくなって当然だろう。その場合、問題は誰が具体的に3派分裂を収拾するか、だろう。

分裂は高山若頭の服役を見すましてから始まったとはいえ、もともと高山若頭が主導した恐怖政治が大もとの原因だろう。そういう高山若頭が3派をまとめ上げる形で、事態の収束を図れるわけがない。

 解決役としては当然、高山若頭が外れる(服役中だから動けない)。髙山若頭に列なる竹内照明若頭補佐も外れることになるだろう。司—高山—竹内という弘道会万代路線は解消されるのだ。

これまでは高山若頭の有能さだけが注目された弘道会だが、誰の意向を一番に尊重すべきかといえば、山口組の当代、司組長に決まっている。

 こうした思惑が背景となって、六代目山口組の中心団体、弘道会はおおよそ3派に色分けされそうだ。一つは高山・竹内派であり、これは従来路線維持の保守派だ。もう一つは本来が当代として立てなければならなかった司派だ。改革派といえる。あと一つは中間派で、まだどちらに着くべきか気持ちが定まらない一派である。

司派の動きは活発で、すでに気持ちを通じた配下を山口組の分裂解消、再統合工作のため動かしている。これまで高山派と目されていた弘道会幹部も司派に転じるなど、主流になりつつある。対してこれまでが主流だった高山―竹内派からは直参たちの気持ちが離れ、少数派に転じそうだ。

来年10月までという期限を切った競争である。一部に今年8月までといった説も流れていたが、それは個人を相手にした話、団体を丸ごと動かそうという場合は来年10月まで期限が延ばされる。ヒョウタンから駒という驚くべき結果が出てくる可能性がある。



<斬り込み時評バックナンバー>

357)儲かる銘柄だった細野豪志(18年7月30日)
356)安倍首相の選挙妨害・事務所放火事件の顛末(18年7月13日)
355)不正入学が見返りなら国税庁長官就任も同じだろう(18年7月9日)
354)錬金術だった昔の暴力 想像を超える一般人の暴力(18年7月2日)
353)蛇の道の行方はヘビに聞かねばわからない(18年6月25日)
352)全国に飛び火しているモリカケのそっくり事件(18年6月18日)
351)覚醒剤1グラムで致死量に至るのか(18年6月11日)
350)暴力団の殺人指令には適用されない司法取引(18年6月4日)
349)全盛期の22分の1になった山健組の名簿流出(18年5月28日)
348)相変わらず活況 日本の覚醒剤市場(18年5月21日)
347)山口で思い出したNHK「教育番組」の破廉恥話(18年5月14日)
346)NHKの銀座ママ番組に抱いた違和感(18年5月7日)
345)米山新潟県知事と福田財務次官の相違点(18年4月23日)
344)暴力団員が減る中、任侠山口組だけが増えている(18年4月16日)
343)陸自日報隠蔽は安倍政治の必然(18年4月9日)
342)昭恵夫人と安倍首相は一心同体(18年4月2日)
341)任侠山口組が指定暴力団になったが、ますますヤクザは潜るだろう(18年3月26日)
340)安倍首相には退陣してもらうしかない(18年3月19日)
339)神戸山口組絡みの出来事で最近、囁かれていること(18年3月12日)
338)政治への関心を薄くさせる「働き方改革」の一面(18年3月5日)
337)「野球くじ」と「カジノ」にみる公的機関の偽善(18年2月26日)
336)様変わりした危険ドラッグ市場(18年2月19日)
335)依存症対策という警察の腐朽化(18年2月5日) 
334)半グレ集団が任侠山口組に寄ってきている(18年1月29日)
333)3派に割れた東京の山口組の今後は陣取り合戦(18年1月22日)
332)ポスト池田に動き始めている学会は改憲に協力するのか(18年1月15日)
331)半グレにもヤクザにもしのぎが細る厳しい冬(17年12月25日)

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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