溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

307)山口組3派を摘発 もはや抗争の継続どころではなくなった(17年6月19日)

 京都府警が6月16日、会津小鉄会の分裂と後継人事をめぐるトラブルで、いよいよ山口組3派の摘発に入った。

 これより前、6日に兵庫県警が携帯をめぐる微罪で神戸山口組の井上邦雄組長を逮捕したが、本来は京都府警の逮捕が先行する予定だった。兵庫県警は京都府警より早く一番槍をつけたいため、あえて井上逮捕を強行したとされる。

 さすがに京都府警の捜査が本命なだけに、井上組長はもちろんのこと、六代目山口組側からも弘道会・野内正博若頭補佐、直参の司興業・森健司組長などを逮捕する見込み。一部、任侠団体山口組側からも元山健組系組員などを逮捕するようだ。

 捜査は3派に及ぶ。中でも神戸側は組長と中核組織の山健組を直撃され、六代目側は同じく中核組織の弘道会を直撃される。両派のダメージは大きく、抗争の継続どころではない。組織の弱体化がさらに早まりそうだ。

 事件の概要は、このコラム第287回(1月23日)でお伝えしたが、改めて略記しておこう。

 六代目会津小鉄会・馬場美次会長は去年10月、六代目山口組・高山清司若頭による後見人関係を解消した。

 これを面白く思わない六代目側は弘道会幹部や組員を動員、今年1月、京都の会津小鉄会本部に押し掛け、馬場会長に引退と、次期会長に原田昇若頭を就けるよう迫った。挙げ句、馬場会長の印鑑を無断使用した上、交際団体に代目継承を知らせる書状を作成、ファックスした。

 馬場会長はいったん本部を出て山健組などと協議、翌日の早朝山健の組員などと一緒に本部に戻り、弘道会や原田若頭一派の排除に動いた。京都府警は両派の衝突回避のため本部を固め、その前で両派は言い合いになった。

 馬場会長側は「こいつらは人の印鑑を無断で使ってデタラメ文書をでっち上げた」などと面罵、府警は「それなら私文書偽造で被害届けを出しなさい」などと口を挟んだ。

 今回、野内、森両容疑者は私文書偽造で逮捕とも観測されるから、すでに引退した馬場元会長が被害届けを出したのかも。

 その後、神戸側も六代目側も自派と親しい「七代目会津小鉄会」をそれぞれ擁立したが、今や山口組分裂の弊が親戚・友誼団体にも及んでいる。

 5月10日、稲川会を破門された箱屋一家・中村豪総長が乗る車が松戸市の路上でバイクの男から銃撃され、同乗の男が肩と頭を撃たれ、重体に陥った。この事件も六代目側と神戸側の対立・分裂が背景にある。

 事件がめくれれば、両派と稲川会に捜査の手が伸び、かくて日本の全暴力団が震撼する。



306)井上組長逮捕で山健組は存続の危機(17年6月12日)
305)在日3世の織田代表が真摯に語った日本への思い(17年6月5日)
304)金密輸がらみ事件が多発している背景(17年5月29日)
303)織田代表が語るヤクザ業界改革の言やよし(17年5月23日)
302)任侠団体山口組の独立は「コップの中の内輪もめ」ではない(17年5月15日)
301)神戸山口組分裂、織田代表に真意と展望を聞いた 侠道精神を取り戻す(17年5月8日)
300)半グレ集団の賢くも仁義なき金儲けビジネス、巨万の富を蓄積(17年5月1日)
299)福岡現金3・8億円強奪の背景を読む(17年4月24日)
298)米国は儲かる北朝鮮を潰さない(17年4月17日)
297)老齢化が進む暴力団のミジメな今後(17年4月10日)
296)ならず者の最後の避難所愛国心の大ボスは誰か(17年4月3日)
295)共謀罪、血祭りに上げられるのはテロリストより暴力団(17年3月27日)
294)北朝鮮を国連から除名することは有効なのか(17年3月13日)
293)森友疑惑について合理的に考察する(17年3月6日)
292)カネが飛び交う医者と暴力団の関係(17年2月27日)
291)米国は先制攻撃よりも中国を利用するだろう(17年2月20日)
290)分裂した会津小鉄会、2つの組織にこれだけの差(17年2月13日)
289)へたれの安倍首相は暴力団よりも劣る(17年2月6日)
288)原発世迷い言の暗愚の宰相(17年1月30日)
287)勝負あった会津小鉄会トップ人事への介入騒動(17年1月23日)
286)司組長の誕生日を前に元山健組の大幹部が飛び出した(17年1月16日)

<斬り込み時評バックナンバー>

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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