溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

329)北からの漂着船でわかった無防備と無責任(17年12月11日)

 北朝鮮の朽ちかかった木造船が日本海側に打ち寄せられている。先月は28件もの漂流・漂着があり、今月は1週間で17件もの漂流・漂着があったという。

 中には白骨化した死体も混じり、北朝鮮の絶対的な貧しさに息を飲む思いがする。軍が軍人に冬の荒天でも漁を強い、何十人もの無駄死にが積み重なっているのだろう。

 水爆を持ち、米本土に到達できる大陸間弾道弾の開発に漕ぎつけようと、人民を飢えさせ、結果的に死体を洋上に漂わせるような金正恩は現代最悪の独裁者と断言できる。

 彼らのボロ船やテントを差し掛けただけの外装、粗末な着衣を目にすると、つい目くじらを立てる気持ちも失せる。北海道の無人島、松前小島の漁小屋から備品のソーラーパネルやテレビ、冷蔵庫、漁網やドアノブまで盗んでも、仕方ないかと思う。

 しかし、筆者の知人はこれを日本の治安の大問題と見る。知人の言い分はこうである。

「北朝鮮の船は松前小島に2〜3日上陸し、好き勝手に備品を荒らしていた。あの小さな船に冷蔵庫ばかりか自家発電機という重量物さえ積み込もうとした。とうてい積みきれるはずがなく、近くに北朝鮮の母船がいた可能性もある。

 しかも乗員の中には革靴を履いていた者もいた。とうてい漁民や漁業に従事する軍人とは思えない。漂着船の全部とはいわないが、中に工作船も紛れ込んでいた可能性がある。彼らは日本の排他的経済水域を侵し、日本海側があたかも日本の裏玄関のように、日本領土に自由に出入りしている。

 ということは、かつて多数の日本人が北朝鮮の工作員によって拉致された時代と本質的に何も変わっていないということだ。海上保安庁は彼らが松前町沖の無人島に着岸していることに気づかなかった。海上自衛隊もそうだし、警察も同じだ。

 そのくせ安倍首相は北朝鮮の今回の大陸間弾道弾発射に、日本の安全は万全だと言い切ってJアラートさえ鳴らさなかった。弾道弾の陰で北の船がひたひた日本に押し寄せていながら、何が万全の安全か。根拠なきご託もいい加減にしろ、と言いたい。しかも、誰もこのことを追及せず、責任を取ろうとする為政者もいない。

 北朝鮮の工作員が日本人を拉致していたとき、日本の治安機関はノホホンとして北のしわざと気づかなかった。北の犯行と判明した後も、警察や海上保安庁の責任を誰も、どこも追及しなかった。今、日本は同じことを繰り返している。「二度と拉致は許さない」と、どうして言えるのか」

 一理ある言い分と思う。ときに冷厳な目が必要なのだ。



<斬り込み時評バックナンバー>

328)任侠の織田代表と6代目の高山若頭統合話の行方(17年12月4日)
327)パパ活アプリまで登場した性の商売(17年11月27日)
326)刑務所暮らしの高齢者が減らない理由(17年11月20日)
325)立憲民主に紛れ込んだ腐ったリンゴ(17年11月13日)
324)自殺に道連れを求める心理は理解できない(17年11月6日)
323)「北朝鮮のおかげ」と言い放った安倍内閣のナチス体質(17年10月30日)
322)ヤクザ界のトレンディーは任侠山口組(17年10月23日)
321)気休めにもならない迎撃ミサイルのお粗末さ(17年10月16日)
320)安倍vs小池 勝手にやればというケンカの楽しみ方(17年10月2日)
319)「死人に口なし」ヒットマンは消されたのか(17年9月25日)
318)非核3原則の一時的中断であれば現実的(17年9月11日)
317)触れる物すべてを土に変えてしまう暗愚の宰相(17年9月4日)
316)前代未聞、任侠山口組記者会見の裏事情(17年8月28日)
315)北が核を持っても米国は困らない(17年8月21日)
314)北の核の問題点 公平に論じてみる(17年8月14日)
313)神戸山口組にも共通する組織の立て直しの難しさ(17年8月7日)
312)稲田大臣の首を切ったのは米国ではないのか(17年7月31日)
311)セガサミー里見会長宅発砲事件の裏に魑魅魍魎(17年7月24日)
310)前代未聞の珍事続出 京都府警は大誤算(17年7月10日)
309)本職も逃げ出す安倍政権のマフィアぶり(17年7月3日)
308)アベ友の準強姦罪を葬った組織犯罪対策部長が共謀罪所管(17年6月26日)
307)山口組3派を摘発 もはや抗争の継続どころではなくなった(17年6月19日)
306)井上組長逮捕で山健組は存続の危機(17年6月12日)
305)在日3世の織田代表が真摯に語った日本への思い(17年6月5日)
304)金密輸がらみ事件が多発している背景(17年5月29日)
303)織田代表が語るヤクザ業界改革の言やよし(17年5月23日)
302)任侠団体山口組の独立は「コップの中の内輪もめ」ではない(17年5月15日)
301)神戸山口組分裂、織田代表に真意と展望を聞いた 侠道精神を取り戻す(17年5月8日)
300)半グレ集団の賢くも仁義なき金儲けビジネス、巨万の富を蓄積(17年5月1日)
299)福岡現金3・8億円強奪の背景を読む(17年4月24日)
298)米国は儲かる北朝鮮を潰さない(17年4月17日)
297)老齢化が進む暴力団のミジメな今後(17年4月10日)
296)ならず者の最後の避難所愛国心の大ボスは誰か(17年4月3日)
295)共謀罪、血祭りに上げられるのはテロリストより暴力団(17年3月27日)
294)北朝鮮を国連から除名することは有効なのか(17年3月13日)
293)森友疑惑について合理的に考察する(17年3月6日)
292)カネが飛び交う医者と暴力団の関係(17年2月27日)
291)米国は先制攻撃よりも中国を利用するだろう(17年2月20日)
290)分裂した会津小鉄会、2つの組織にこれだけの差(17年2月13日)
289)へたれの安倍首相は暴力団よりも劣る(17年2月6日)
288)原発世迷い言の暗愚の宰相(17年1月30日)
287)勝負あった会津小鉄会トップ人事への介入騒動(17年1月23日)
286)司組長の誕生日を前に元山健組の大幹部が飛び出した(17年1月16日)

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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