溝口敦はノンフィクション中心のライターです。手がける分野は主に社会畑ですが、カバー範囲は広く、山口組、ヤクザ、暴力団、組織犯罪集団、外国人マフィア、人物論、新宗教、科学、食品の安全性、性、小説など多岐にわたっています。発表メディアは主に週刊誌、月刊誌、単行本です。


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溝口敦の斬り込み時評(日刊ゲンダイ、毎週月曜連載)

314)北の核の問題点 公平に論じてみる(17年8月14日)

 アメリカと北朝鮮が互いにカマシを入れ合っている。トランプ大統領は北朝鮮が挑発を続ければ「世界が見たことがない炎と怒りを受けることになる」と脅し、北朝鮮は新型中距離弾道ミサイル「火星12」をグアム島周辺、30〜40キロの海上水域に4発同時に発射するなどと言い始めた。

 香港が中国に返還される前、14Kなど香港のマフィア組織、三合会について取材したことがある。そのとき香港人が言っていた言葉を思い出した。

「こっちのマフィアは相手マフィアとぶつかると、仲間を呼び集め、道路の向こう側の相手に大声をあげて虚勢を張る。と、向こうも仲間を呼び集め、道路の向こう側から悪罵を投げつける。

 双方とも時間が経つうち人数が増えていくが、いっこう直接行動に出ず、見ていていらいらさせられる。結局は集団的な口げんかでチョンです」

 知恵ある喧嘩の仕方だろう。双方とも怪我をせず、命を失わず、メンツもつぶさない。警察にも逮捕されずに振り上げた拳を納めることができれば、御の字ではないか。米、北朝鮮とも口げんかだけで納めてもらいたいものだが、この際、改めて北朝鮮のどこが悪いか考えてみる。

 まず北朝鮮は核保有国になれば、存続を脅かされることなく、世界で一目置かれる存在になれると考えている。まあ、一理ぐらいある考えだろうから、核を持つ米中露辺りが「オレは持っているけど、お前は持つな」と言っても、通りが悪い。

 次にミサイルや人工衛星を打ち上げ、本体か残骸を公海上に落下させる。これは北朝鮮が絶対やってはいけないことなのか。

 種子島でHⅡAロケットの打ち上げを見たことがあるが、事故時も考えてのことだろう、落下が予想される海域にちょっとでも船影を捉えれば、ただちに打ち上げを中止し、危険が去ってからカウントダウンを再開していた。

 北朝鮮にこうした措置がとれるなら、たぶん公海の利用は許されるはずである。それが排他的経済水域ではどうか、ある国の上空飛翔ではどうか、となると、問題は難しそうだが、寄ってたかって袋叩きにする悪事とも思えない。

 他国が一番恐れるのは精神に異常を来すかもしれない独裁者が核のボタンを押す可能性があり、かつ国内にそれをチェック、制止する権能を持つ組織、制度がないことだ。

 世界にバカっぽい民主主義はゴマンとあるが、それでも軍事独裁よりは安心できる。



313)神戸山口組にも共通する組織の立て直しの難しさ(17年8月7日)
312)稲田大臣の首を切ったのは米国ではないのか(17年7月31日)
311)セガサミー里見会長宅発砲事件の裏に魑魅魍魎(17年7月24日)
310)前代未聞の珍事続出 京都府警は大誤算(17年7月10日)
309)本職も逃げ出す安倍政権のマフィアぶり(17年7月3日)
308)アベ友の準強姦罪を葬った組織犯罪対策部長が共謀罪所管(17年6月26日)
307)山口組3派を摘発 もはや抗争の継続どころではなくなった(17年6月19日)
306)井上組長逮捕で山健組は存続の危機(17年6月12日)
305)在日3世の織田代表が真摯に語った日本への思い(17年6月5日)
304)金密輸がらみ事件が多発している背景(17年5月29日)
303)織田代表が語るヤクザ業界改革の言やよし(17年5月23日)
302)任侠団体山口組の独立は「コップの中の内輪もめ」ではない(17年5月15日)
301)神戸山口組分裂、織田代表に真意と展望を聞いた 侠道精神を取り戻す(17年5月8日)
300)半グレ集団の賢くも仁義なき金儲けビジネス、巨万の富を蓄積(17年5月1日)
299)福岡現金3・8億円強奪の背景を読む(17年4月24日)
298)米国は儲かる北朝鮮を潰さない(17年4月17日)
297)老齢化が進む暴力団のミジメな今後(17年4月10日)
296)ならず者の最後の避難所愛国心の大ボスは誰か(17年4月3日)
295)共謀罪、血祭りに上げられるのはテロリストより暴力団(17年3月27日)
294)北朝鮮を国連から除名することは有効なのか(17年3月13日)
293)森友疑惑について合理的に考察する(17年3月6日)
292)カネが飛び交う医者と暴力団の関係(17年2月27日)
291)米国は先制攻撃よりも中国を利用するだろう(17年2月20日)
290)分裂した会津小鉄会、2つの組織にこれだけの差(17年2月13日)
289)へたれの安倍首相は暴力団よりも劣る(17年2月6日)
288)原発世迷い言の暗愚の宰相(17年1月30日)
287)勝負あった会津小鉄会トップ人事への介入騒動(17年1月23日)
286)司組長の誕生日を前に元山健組の大幹部が飛び出した(17年1月16日)

<斬り込み時評バックナンバー>

2010年7月7日、野球賭博摘発についての溝口敦のコメント
NHK WORLD ニュースライン(10年7月7日)

2008年7月14日、占い師・細木数子は講談社社長に6億円余の損害賠償を求める裁判について、東京地裁に訴えの取り下げ書を提出した。
講談社と溝口は細木の訴えの取り下げに同意し、次のような和解条項を示して細木と和解した。

講談社は、雑誌出版社として財団法人日本雑誌協会が定める雑誌編集倫理綱領(昭和38年10月16日制定、 平成9年6月18日改訂)に基づき、「雑誌編集者は、完全な言論の自由、表現の自由を有する。この自由は、 われわれの基本的権利として強く維持されなければならない」ことを基本とし、「社会の秩序や道徳を尊重す るとともに、暴力の賛美を否定する」との立場に立ちつつ、「個人及び団体の名誉は、他の基本的人権とひと しく尊重され擁護されるべきものである」ことを自覚し、「真実を正確に伝え、記事に採り上げられた人の名 誉やプライバシーをみだりに損なうような内容であってはならない」ことに留意して、行動していくことを、 ここに表明し、補助参加人(溝口敦)は、同様の指針に沿って、行動していくことを表明する。

2008年3月10日、溝口敦と山口組系山健組組長らは東京地裁で和解した。

・この和解を報じる共同通信の配信記事(08年3月10日)
・東京地裁での和解の概略




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